宮崎の不動産取引に関するQ&A
不動産の売買のトラブルに関する、お客様からの質問と回答をQ&A方式でご提供します。
【その1 物件の説明などに関するトラブル】・道路・隣地・法令上の制限等についての説明
【その3 契約の履行や解除等に関する問題】・契約の解除と手付金の返還等
I 土地やマンション・一戸建てなどの売買に関するもの
【その1 物件の説明などに関するトラブル】・重要事項説明について
Q1 「ジュウセツ:重説」という言葉を宅建業者さんから聞きましたがどういう意味ですか?
A1 宅建業者は、宅地・建物の売買・交換・賃貸等の相手方等、取引の当事者に対して、契約が成立するまでの間に、 取引をしようとしている物件や取引条件など一定の重要な事項について、それらを記載した書面を交付し、 取引主任者をして説明させなければなりません(宅建業法35条1項、2項)。この重要事項の説明やそれを記載した書面(重要事項説明書)のことを略して「重説」と言うことがあります。
Q2 宅地建物取引主任者って誰のことですか?
A2 宅地建物取引主任者とは、宅地建物取引主任者試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、 宅地建物取引主任者証の交付を受けた者のことをいいます。通常は縮めて「宅建主任者」、「主任者」などと呼びます。 宅地建物取引主任者は、取引の当事者に対する重要事項の説明、 重要事項説明書や宅建業法37条の規定に基づく書面(契約書)の内容確認と記名押印の事務を行うことができるとされています。
Q3 戸建て住宅を買う契約をしました。その時に、媒介(仲介)業者から重要事項説明を受けましたが、 どういうものか理解できませんでした。考え直してみたら気に入らない物件なので、契約を解除したいと思いますが。
A3 媒介業者の重要事項説明の内容が十分理解でないまま契約したとしても、後で気に入らない点があるからといって、 契約を解除することはできません。媒介業者の説明に不備があり重要事項説明が正しく行われていない場合等を除いては、 手付金を放棄して解除することになると思われます。重要事項説明の際には、わからない点については十分に確認することが必要です。 その上で「買うか、買わないか」の判断を行い、契約を締結することが大切です。
なお、契約の解除・取消しには1.法律の規定に基づいた解除(1)クーリング・オフ制度、(2)契約違反による解除、(3)瑕疵担保責任による解除、(4)消費者契約法による契約の取消し、2.手付放棄による解除、3.話合いによる契約の解除(合意解除)、4.錯誤や詐欺による契約の取消し等があります。
Q4 新築マンションを買う契約をする時に、 売主のマンション業者から重要事項説明書を渡され読んでおくようにいわれただけで、説明はしてくれませんでした。 周辺の環境が悪く、業者の責任を問いたいのですが。
A4 宅建業者が契約前に取引主任者をして重要事項を説明することは業者の責務であり、これを行っていないことは、 宅建業法違反となります。
また、工場のばい煙や臭気等の環境に関するものは「環境瑕疵」といわれトラブルになることがあります。 宅建業者には「契約の締結の判断に影響を及ぼす事項」について、「重要な事項」として説明する義務がありますので、 その環境に関する事項がこれに該当する場合は、説明をしなかった宅建業者に責任を追及することができます。
Q5 気に入った物件があったので購入を検討していますが、現在の自宅から媒介(仲介)業者や物件が遠距離のため、 出向く時間が取れません。重要事項説明書を郵送でやり取りしてはいけないのでしょうか。
A5 宅建業者が宅地・建物の取引を行う場合には、宅地建物取引主任者をして、取引主任者証を提示させ、 重要事項説明書およびその添付資料により取引の相手方に説明すること等が義務づけられています(宅建業法35条1項、2項)。
宅地・建物の取得は価格も高額となることもあり、失敗は許されませんから、遠距離であっても、宅建業者と会って説明を受けた上で、 契約を締結してください。
Q6 公道に非常に細長い通路で接している宅地を買いました。ちゃんと家が建つのでしょうか?
A6 ご質問の土地は「路地状敷地(ろじじょうしきち)」といわれるものですが、 原則として、土地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければ建物を建てることはできませんので、 まずその路地状の部分の幅員が2m以上あるのかを確認してください。この路地状敷地については、 「路地状の部分の長さと幅員の関係」を条例で規制している場合がありますので、地方公共団体の窓口で確認してください。
Q7 前面道路は「ニコウドウロ:2項道路」と言われました。はじめて聞いた言葉ですが、どういう道路ですか?
A7 建築基準法第3章の第42条第2項に規定された道路のことです。一般に「2項道路」といわれ、この建築基準法第3章の規定が適用されたときに、 既に建築物が建ち並んでいた幅員4m(特定行政庁が指定する区域においては6m)未満の道で、特定行政庁が指定した「みなし道路」のことです。
原則として現在の道路の中心線からそれぞれ2m(特定行政庁が指定する区域においては3m)ずつ後退させた線が道路の境界線とみなされ、 後退した部分(セットバック部分)には、建築物を建築することはもちろん、門、塀等も築造することはできません。
Q8 新築マンションを買う契約をする時に、売主のマンション業者が隣地の建築計画を説明してくれませんでした。 3階の私の部屋の採光・通風は大いに影響を受けることが確実です、業者の責任を問えないでしょうか。
A8 隣地の建築計画などは、買主にとって大きな関心事であり重要な判断要素です。 マンションの売主業者はこれらの事項について説明義務を負っているといえます。隣接地の建設計画等について知っている場合だけでなく、 建築計画に関する標識等により容易に調査することができる場合も説明義務を負います。 業者がこれを怠っていた場合にはその責任を追及することができます。
Q9 新築マンションを購入する契約をして、完成した部屋を見ましたが、 南側にある建物のせいで午後早くから日が当たらなくなってしまいます。「日当たりは十分です」との説明を聞いて契約したのだから、 契約を解除できると思うのですが?
A9 宅建業法では、将来の環境等の利便について誤解されるような断定的な判断の提供をすることを禁止しています。しかし、 ご質問にある「日当たりは十分です」という営業のセールストークだけを捕らえて、 この断定的判断の提供に当たるかどうかを判断することは困難です。
契約をする前に現地を確認されたことと思いますが、南側の建物は、契約の時点ですでに存在している建物ですので、 ある程度日照が妨げられることは現地の確認により容易に推察することができたのではないでしょうか。 「重要事項説明書」にどのように記載され説明されたのかが問題になるでしょう。契約の解除ができるか否かは、 契約締結までの事情等が総合的に判断されることになると思われます。
Q10 浜離宮庭園が見えるというのがセールスポイントで、広告にもそう記載してあったマンションを7000万円で買いました。実際に住んでみると、途中にビルがあって、私の部屋からは見えません。消費者契約法に基づいて売買契約を取り消し、代金を全額返してもらうことはできますか?
A10 消費者契約法4条1項1号は、事業者が重要事項について事実と異なることを告げたことにより事実を誤認して契約したときは、これを取り消すことができると規定されています。庭園が見えることが購入を決定するにあたり重要な事項であったのに、実際は全く見えないのであれば、同法同条の適用により契約の取り消しができると考えられます。
Q11 住宅を建てるつもりで買った宅地が市街化調整区域内の土地で、家は建たないと市役所の人から言われました。 媒介(仲介)業者からそんなことは聞いていませんでした。契約を解除したいのですが。
A11 市街化調整区域内の土地は、原則として住宅を建築することはできません。 媒介(仲介)業者は、重要事項説明において「住宅を建築することはできない」ことを説明しなければなりませんが、 重要事項説明は受けていませんか。住宅を建てる目的でこの土地を購入したにもかかわらず住宅が建てられず、 建てられないことを売主や媒介業者が説明していないのであれば、契約を解除することは可能でしょう。
Q12 宅建業者が出した広告を見て、市街化調整区域内の格安の土地を買いました。広告では家庭菜園向きの土地で、コンテナハウスやトレーラーハウスなど可能と記してありました。ちゃんとした別荘を建てるのは無理かなという疑いも多少持ちましたが、問題はないだろうと思い契約しました。ところが、役所に聞くと別荘は建てられないとのことなので、解約し、返金もしてもらいたいと思いますが可能でしょうか。
A12 市街化調整区域内では、原則として別荘等の建築物は建築できません。これをもとに売主業者が、その土地は「宅地ではない」から宅建業法の適用がないと主張して、業法所管部局の指導や介入を拒むこともありますが、お話の状況からするとやはり「宅地」に当たると思われます。コンテナハウスやトレーラーハウスは、建築基準法上の建築物に該当すると判断されることもあり、その場合は立派な宅地であって、しかも市街化調整区域内で原則的にそれらが建てられないことになります。 別荘を建てる目的で土地を購入したにもかかわらず、その目的が達成できず、別荘が建てられないことを、売主である宅建業者が重要事項説明書に記載し説明していないのであれば、契約を解除し、支払金を返してもらうことは可能でしょう。
Q13 中古住宅購入を検討していますが、その家の敷地は個人の地主が所有権を持ったままの位置指定道路に接しています。媒介(仲介)業者は「昨年、隣の家を媒介した時に、地主はその道路の利用や掘削を認める承諾書を書いてくれた。地主は高齢で書類作成を面倒がり、今度は頼んでも書いてくれないが、他の昔から住んでいる家の人たちは普通に通行しているので問題ない。」と言っています。業者の話を信じて、買ってもいいのでしょうか。
A13 位置指定道路とは、道路法等によらないで築造する幅員4m以上の道路で、特定行政庁から位置の指定を受けたものをいいます。道路ですから通行に関しては一般の道路に準ずると考えられますが、所有者のいる私道の場合は、道路掘削時の承諾料を要求されたり、売却され所有者が変わってしまうこともあります。また銀行ローンの条件として道路の利用や掘削に関する承諾書が必要な場合もあります。紛争の防止のためにも地主に承諾書を出してもらうよう、再度お願いしてみて下さい。
Q14 住宅を建てるつもりで買った宅地が都市計画道路の予定地にかかっているようです。 どうすれば契約を解除し、払ったお金を取り戻すことができますか?
A14 宅建業者の媒介により土地を購入されたのであれば、事前に重要事項説明を受けられたと思います。 重要事項説明書には都市計画道路について何も記載されていませんか。もし、記載・説明がされていない場合は、 媒介(仲介)した宅建業者は重要事項説明義務に違反することになりますので、媒介業者の責任を追及することができます。売主との関係では、 瑕疵担保責任の問題になりますが、媒介業者から説明を受けていたのであれば、責任を問うことはできません。
物件に「隠れた瑕疵」があるとき、買主は「契約の目的を達することができない場合」に限り契約を解除することができます。
Q15 買ったばかりの新築マンションの敷地は以前鉄工所だったそうです。小さな公園もありますが、 そういう土壌のところで子供を遊ばせても大丈夫でしょうか? 敏感な子供なので、解約も考えています。
A15 以前鉄工所として利用されていた土地ということですので、土壌が汚染されていた可能性は否定できませんが、 このような土地にマンションを建築する際、分譲会社は事前に土壌調査を実施しているものと思われます。 分譲会社または販売会社に尋ねて状況を確認してください。 マンションの敷地が汚染物質等により汚染されている場合は「瑕疵担保責任」の問題となります。
Q16 5歳の子供がシックハウスにとても敏感だと医者から言われました。私は平気ですが、 子供が時々息苦しい様子をしていることがあります。買ったばかりのマンションですが、出て行かなくては、と思います。 購入代金は戻ってきますか?
A16 建築基準法では、化学物質の発散による衛生上の支障がないように建築建材や換気設備について規制していますが、 その原因が十分に解明されていないこと等もあり、建築基準法の規制を遵守して建築された建物においてでも、発症する人がいるようです。
シックハウスについては裁判で争われることもありますが、大変難しい裁判になることが多いようです。まず売主等と話し合ってみてください。 話合いによる解決ができなければ、最終的には裁判所の判断を求めることになりますので、弁護士さんにご相談下さい。
Q17 築32年の店舗併用住宅を購入する予定です。アスベストが使われているらしいので、 売主や媒介(仲介)業者にそのことを確かめたいのですが、どうすればよいでしょうか?
A17 平成18年国土交通省令第9号(平成18年3月13日公布、同年4月24日施行)により宅建業法の施行規則が改正され、 建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容を重要事項説明書に記載するとともに説明することとされました。 アスベストの使用の有無については、媒介業者を通して売主に設計図書等があればそれに基づいて説明を受けることができます。
アスベストの基本的な知識については国・行政機関から公表されている「アスベストQ&A」等を参考にしてください。
Q18 マンションの購入を考えているのですが、耐震問題が心配です。中古の場合は耐震診断が行われているのかどうか、新築の場合でも確認検査機関はどこでどんな会社だったのかなど、売主や媒介(仲介)業者に説明してもらえるのでしょうか。
A18 宅建業者には、①売主(所有者)や管理組合などが、建物(昭和56年6月1日以降に新築工事に着手したものは除かれます)について、建築物の耐震改修促進法の技術上の指針となるべき事項に基づいて、指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関または地方公共団体が行う耐震診断を受けているかどうかを調査し、②耐震診断が行われているときはその内容を、買主に説明することが義務付けられています。確認検査機関に関する説明については宅建業法上の規定はありませんが、説明がなければ、売主や媒介業者に対して自ら説明を求めることも必要です。そのほかにも不安な点があれば、契約の前に納得のいく説明を受けておくことが大切です。
Q19 中古のマンションを買いましたが、耐震強度が基準の7割しかない物件だと新聞にでていました。 私は住みたくないので売主に買戻しを求めたいのですが、可能でしょうか?
A19 耐震強度が基準の7割しかないということであれば、「隠れた瑕疵」があると考えることができます。「隠れた瑕疵」とは、 買主が瑕疵を知らずまたは知りえなかった瑕疵をいいます。また、瑕疵担保責任を追及するにあたっては1.売買の目的物に瑕疵があり、 2.その瑕疵が「隠れたるもの」であり、さらに3.その「瑕疵」が契約締結時に存在していたことが必要です。 引渡し後に発生原因のある後発的な瑕疵や耐用年数切れ等については、瑕疵担保責任は問えないことになります。
そして、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があり、買主が契約の目的を達成できない場合には、 買主は売主に対して契約の解除および損害賠償の請求ができます。
Q20 3年前に新築のマンションを買いました。震度4くらいの地震でも非常に大きく揺れる気がするのですが、 どうしたらよいでしょうか?
A20 建築物の揺れは、人それぞれの感じ方や建物の構法(耐震・免震・制震構法等)によっても違いますが、 ご心配の向きが建物の安全性に対する不安ということであれば、まず売主に対して耐震性について確認してください。なお、 昭和56年6月1日以降の建築物は新耐震基準を満たした建築物で、それ以前の建築物と比べ耐震性が高くなっています。
Q21 築5年の戸建て住宅を買う契約をしました。容積率・建ぺい率違反の物件ということは知っていましたが、 周りも同じような戸建住宅ばかりですし、安心していました。ですが、銀行が融資してくれません。どうすればいいでしょうか?
A21 法令に違反して建築された建物は、担保価値等の問題で一般に金融機関では融資をしません。 購入するためには自己資金で購入することになるでしょう。また建築基準法その他の法令によって建物の建築または再建築が制限されている物件は、 欠点のない物件に比べ価格が安いのが通常です。また、次回売却をするときには、そのことを買主に告げる必要があります。 このような物件については十二分な注意を持って購入の意思決定をしてください。なお、契約において金融機関の融資を受けるような場合は、 ローン特約を付けましょう。融資が受けられなくなった場合契約を解除することができます。
Q22 父が、建築基準法違反の建物と土地の売買契約を15年前に結んで、ずっと住んでいましたが、最近亡くなり、私が相続しました。こんな建物を売った売主業者に対して損害賠償を求めたいのですが、どうすればよいでしょうか。
A22 取得した土地建物に「隠れた瑕疵」があったときは、売主に対して瑕疵担保責任を追及することができます。
しかし、平成13年11月27日、最高裁判所は、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権は引越しから10年で消滅時効にかかるとの判断を示しました。本件は、取得してから10年以上が経過していますので、法律上の請求は請求はできないと思われます。
Q23 5年ほど前に父が買った比較的広い敷地の住宅がありますが、今度遺産分割することになりました。その際、面積が不足していることがわかりましたが、元の売主に聞いたら、公簿売買だと言います。公簿売買ってなんですか。
A23 公簿売買とは、売買契約に当たり、土地・建物の登記簿の表示面積により売買代金を確定し、後に実測した面積との間で差が生じても代金を清算しない契約方式のことをいいます。これに対して、実測面積により売買代金を確定させる契約方式を実測売買といいますが、個人の住宅地のような取引においては、売主、買主双方の公平を期するためにも実測売買の方が望ましいといえます。本件の取引が実際に公簿売買であったかどうかは売買契約書の条項により確認することになるでしょう。
なお、売主が数量を指示して売買した(一定の面積があることを売主が契約において表示し、その数量を基準にして売買代金が算出された)場合に、その数量が不足し、買主がその不足を知らなかったときには、買主は代金の減額要求、損害賠償請求、契約の解除(残存部分だけなら買わなかったであろうとき)ができます(民法565条)。
また、売買契約書に「すべて面積は公簿による」との条項があった事案で、買主が実測面積に感心を持っていたことが認定されて、公簿面積より5%強小さかった土地について、売買契約の6年後に代金の減額請求が認められた事例(最判平成13年11月22日)があります。
Q24 築25年の中古戸建て住宅を買いました。根太(ねだ=床板の下に渡した横材のこと)が腐っている状態でした。 現状有姿(げんじょうゆうし)とか現況有姿(げんきょうゆうし)とか言われて、後で文句は言えないと言われましたが、売主や媒介(仲介)業者に賠償金を払ってもらうことはできるでしょうか
A24 現状(況)有姿は、引渡しまでに目的物の状況に変化があったとしても、 売主は引渡し時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎないという趣旨で用いられることが多いのですが、 単に現状(況)有姿との記載があるからといって、これをもって直ちに売主の瑕疵担保責任の免責に合意があるとはいえません。
この質問も瑕疵担保責任の問題です。売主への責任の追求についてはQ19を参考にしてください。
媒介業者は、不動産取引の専門家として建物等のチェックポイントを知っているはずであり、容易に発見可能な瑕疵について、 調査不備により発見できなかったとか、瑕疵があることを知っていて告げなかった場合には説明義務違反があり、 買主に対して損害賠償責任を負うことになるでしょう。
Q25 不動産業者から新築住宅を購入したばかりですが、先日の台風で雨漏りが見つかりました。瑕疵担保責任は請求できるのでしょうか
A25 新築住宅の場合、「住宅の品質確保と促進等に関する法律」(略称:品確法)により、売主は、引渡しの日から10年間、住宅の基本構造部分(住宅の構造耐力に主要な部分または雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの)について、瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。したがって、購入したばかりの住宅の雨漏りは、当然に宅建業者である売主に請求できます。
Q26 中古の戸建て住宅の跡地を買い、建売をします。現在は下水道がありますが、以前は浄化槽だったので、その槽を半分壊して埋めた状態にしています。これについて将来瑕疵担保責任を問われる可能性があるでしょうか。
A26 「瑕疵」があるとは、取引の概念からみて売買の目的物に何らかの欠陥があることを意味します。また、買主が取引上一般に要求される程度の注意をしても発見できないような瑕疵、あるいは、目的物に瑕疵のあることを知らず、かつ、知らないことに過失のないような場合の瑕疵を「隠れた瑕疵」といいます。ご質問の地下に埋まっている状態は瑕疵がある状態といえ、将来瑕疵担保責任を問われる可能性があります。埋設物を完全に除去した状態で契約することが望ましいといえます。浄化槽を埋めたままで売却するのであれば、埋設物について位置図面等を添付し重要事項として説明する必要があります。
Q27 半年前に中古マンションを購入しましたが、最近部屋の結露がひどく壁に大きなシミが出てきました。修理してもらおうと思い、媒介業者に連絡をしたところ、「現状有姿にて引き渡す」との契約でしたので売主には応じてもらえないとのことでした、どうしたらよいでしょうか。
A27 購入した建物に不具合や欠陥があり、それが「隠れた瑕疵」の場合は、売主に対して損害賠償等の請求をすることができますが、この結露が「隠れた瑕疵」であるとして売主に瑕疵担保責任を求めることができるかということになります。
断定的な判断をすることはできませんが、瑕疵担保責任の問題として売主に修理費用を負担してもらうことは難しいと思われます。 結露はさまざまな要因により生じます。単に表面の壁紙を張り替えるだけでなく、結露が発生しにくくするにはどうすればよいのか、建築の専門家等にもアドバイスを求めて対処されたらどうでしょうか。換気を十分に行うのは基本です。
Q28 業者の媒介(仲介)で中古住宅のあった土地の売買契約を結び、更地として引渡しを受けました。取得後すぐ建替えを計画し、基礎工事にかかったところで、前の住宅の基礎や廃材などが出てきて、これらを撤去するのに相当の費用がかかることがわかりました。契約書には瑕疵担保責任についての記載はなく、売主にはその費用を請求しますが、業者は売主からも媒介の依頼を受けていて私の相談相手になりません。この媒介業者にも責任を取らせることはできるでしょうか。
A28 媒介した業者がこの中古住宅の解体等についてその経過を聞いたり、知っていた場合には買主に重要な事項として、その事実を説明する義務があります。これらを知りながら隠したり、事実と違うことを説明して買主に損害が発生したというのでれば、取引の判断に重要な影響を及ぼす事実を告げなかったとして、業者に対してその責任を追及することができるでしょう。
【その3 契約の履行や解除等に関する問題】・契約の解除と手付金の返還等
Q29 マンションの購入申込みを行い、申込金を支払いましたが、こちらの都合でキャンセルをしたいと考えています、 申込金は戻ってくるでしょうか。
A29 宅建業法では、宅建業者は取引の相手方が申込みの撤回を行った場合は、 受領した預り金を返還しなければならないと規定しています(宅建業法47条の2第3項)。 購入申込みに際して支払った「申込金」は、物件の購入の意思を示すため等に支払った預り金ですので、 自己都合によるキャンセルであっても返還されます。
契約の締結前に支払う金銭がある場合は、その金銭を支払う理由と取り扱いについて、 売主や媒介(仲介)業者に確認をしてから支払うように注意しましょう。
Q30 自分の持っている家を売る契約をしましたが、その契約金額よりも高く買うという別の人が現れました。 契約を解除することはできますか。
A30 基本的に、当事者間で特段の定めがなければ、手付は解約手付とされ、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは買主は「手付放棄」、 売主は「手付倍返し」をして契約の解除をすることができます。
あなたの契約の場合、手付金の授受がされている段階であれば「手付倍返し」による解除となりますが、 買主側が売買代金と引き換えに物件の引渡しを求めたり、中間金の支払いがされているなど、 「履行の着手」が行われている段階であれば、契約条項にしたがい、「契約違反」による「違約金」を支払って解除をすることになります。
自己都合による契約解除となれば、ペナルティーを負うことになります。契約を締結するときは慎重に行いたいものです。
Q31 家を買おうと思っていましたが、先日、自宅から少し離れた辺りを散歩していた際に、完成間近の新築戸建て住宅を見つけました。自宅で物件の説明をするよう頼み、自宅で買受けの申し込みをました。3日前に、完成済みのその住宅の中で契約しましたが、駅から遠いので解約したくなりました。今ならまだクーリング・オフができますか。
A31 いったん契約をしたら、消費者であっても、原則として一方的に契約を取りやめることはできません。これを「契約の拘束力」といいます。しかし、不意打ち的な取引や複雑で危険な取引などでは、「いったん契約したら守らなければならない」とするのは、消費者にとって酷な場合があります。
そこで特定の取引に限って、契約の締結後も一定期間、消費者に熟慮する余裕を与え、その期間内であれば一方的に契約を解消することができる制度を「クーリング・オフ(cooling-off)=頭を冷やして考え直す」といいます。複雑で高額な不動産の取引においても宅建業法37条の2で規定されています。 宅建業法では、売主が宅建業者の場合で、テント張りや仮設小屋での販売、押しかけ訪問販売など「事務所等」以外の場所で売買契約を結んだような場合、宅建業者から書面によるクーリング・オフ制度について告げられたその日から8日以内に限り、解除通知書面を発信すれば無条件に契約の解除ができます。ただし、買主が、自宅または勤務先で売買契約に関する説明を受けることを申し出、そこで申込みあるいは契約をした場合には、無条件で申込みの撤回または売買契約の解除をすることはできないことになっています。
今回の場合は、買主の申出によりに、自宅で買受けの申込みが行われているようなので、基本的にはクーリング・オフによる契約の解除はできないことになります。
Q32 マンションの購入契約をし、引渡しはまだ受けていませんが、地方に転勤が決まったために当分住めないことがはっきりしました。契約を解除し、手付金を返してもらうことができますか。
A32 転勤のために契約を解除する場合は、自己都合になるため、差し入れている手付金を放棄することになります(手付解除)。 仮に、売主が所有権移転のための登記申請などの「履行の着手」を行っている場合は手付解除はできませんので、 「違約金」を支払って契約を解除することになります。
自己都合による契約解除となれば、それなりのペナルティーを負うことになります。契約を締結するときは慎重に行いたいものです。
Q33 まだ完成していないマンションを購入する契約をしましたが、不動産会社の担当者の対応が悪く、 いやになってきました。契約を解除し、手付金を返してもらいたいのですが。
A33 売買契約が有効に成立しているのであれば、不動産会社の担当者の態度が悪いことを理由に契約の解除を行うことは難しいでしょう。 売主は買主であるあなたの自己都合による「手付放棄」による契約解除を主張する可能性が高いと思われます。
その担当者によって契約の履行に支障をきたすなどの問題が生じているのであれば、不動産会社に相談して、 担当者を代えてもらうなどの対策を考えてみてはどうでしょう。
Q34 土地建物の売買契約をして、手付けを入れました。契約日から1か月が経つと、手付解除はできない、という契約になっていますが、こういう契約は許されるのでしょうか。
A34 民法557条1項の手付けの規定は任意規定であり、一定期日を過ぎると手付解除ができないとする手付解除期日の特約を設けることはできます。しかし、売主が宅建業者の場合は、その手付けがいかなる性質のものであっても、解約手付とみなされ、相手方が履行の着手をするまでは、当該契約を手付解除することができます。また、これに反する特約で、買主に不利なものは無効となります(宅建業法39条)。
なお、「売主(業者)および買主は、相手方が契約の履行に着手をするまで、または所定の期日までは手付解除できる」旨の特約が付された売買契約が締結された事案で、買主は、売主が履行に着手するまでか所定の期日までのいずれか遅い時期までは手付解除できるとして、売主が所定(手付解除)の期日到来前に「履行に着手」した場合であっても、買主の手付解除を認めた裁判例(名古屋高判平成13年3月29日)があります。
Q35 マンションの売買契約を結びましたが、自己都合で手付金を放棄して解除しました。売買契約に併せて別途オプション契約で食器洗い機を申し込んでいるのですが、その代金を支払わなければいけないのでしょうか。
A35 オプションで購入した機器の発注や設置工事の進捗状況、他の購入者等への汎用性等によると思われますが、交渉の余地はあると思われます。売主業者とよく話し合ってみましょう。
Q36 購入契約をし、引渡しをまだ受けていないマンションの耐震上の安全性が不安です。 すでに支払った手付金を返してもらって契約を解除したいのですが、可能でしょうか。
A36 耐震上の安全性に対して不安があるということだけでは、ご質問の方法での契約の解除はできません。不安があるのであれば、 売主に説明を求め、そのうえで、契約の継続をするか契約の解除をするかの判断をすることになります。 契約の解除についてはQ3を参照してください。
Q37 先月、中古マンションを買い、引っ越しました。同じ階に、看板はありませんが、新聞などで準構成員と呼ばれる暴力団関係者の事務所兼住居があり、それらしい人が出入りしています。前の持主も薄々は気付いていたようですが、売主も媒介(仲介)業者も何も説明しませんでした。子供もいるし、契約を解除できますか。それがだめなら、媒介業者にこのマンションを安く売らざるを得なくなった時の買値との差額の損害賠償を求めることができますか。
A37 不動産取引においては、その物件自体の法的規制や周辺環境などのほか、買主にとって買うか買わないかの判断材料としてご質問のような事項も大変重要な要素となります。
暴力団事務所があることが調査で判明した場合は重要な事項として説明する義務があります。売主、媒介業者がこのことを知っていながら告げずに取引した場合、売主には瑕疵担保責任に基づき、媒介業者には媒介契約に基づく債務不履行責任により損害賠償等の請求が可能です。
ご質問から、その部屋が暴力団事務所であるかどうかの判断ができません。仮に暴力団事務所であることが事実である場合には、売主に対しては、「隠れた瑕疵」(心理的瑕疵)があるとして損害賠償の請求はできると思われます。一方、媒介業者に対しては、媒介業者が知っていた場合または知りうる状況にあった場合には、その責任の追及が可能になりますが、媒介業者が知らず、知りうる状況にもなかった場合は責任を問うことはできません。
Q38 手付金を払って新築建売住宅を購入しました。完成後、現地を見に行った際、購入物件の隣人が騒いでいる場面を目撃しました。その場に警察も来ており、物々しい雰囲気でしたので、近所の方に聞いたところ、前にも度々このような事があったとのことでした。我が家には小さな子供もいるので、「安心して住むことが期待できないので、白紙解約したい」と売主業者に伝えましたが、「隣人のことは当社の基本調査でも分からなかった。解約するなら手付金は返さない」との回答。また、媒介(仲介)業者は、「手付放棄による解約の場合、媒介手数料は返金できない」とのことでした。既に支払った手付金等は、諦めるしかないのでしょうか。
A38 土地建物の隣人に関する事項は、人権やプライバシーなどの問題がありますので、原則として、宅建業者に調査・説明する義務はありません。ただし、営業活動上、隣人に関する事情を認識していた場合であって、その事情が客観的に明らかなものであり、購入希望者の契約締結の可否の判断に重要な影響を及ぼすことが客観的に明らかである場合には、相当な方法で購入希望者に注意喚起するなど、これを伝達すべき取引上の注意義務を負うとされています。したがって、隣人に関する契約の締結の可否の判断に重要な影響を及ぼす事情を業者が認識していたことが客観的に明白でない限り、媒介業者の責任を問うことは難しいといえます。この場合でも、売主業者の瑕疵担保責任を追及できる可能性は残っています。
Q39 父親が娘の私のために、父親の名義で未完成のマンションの1室を購入し、全代金の20%に当たる手付けを既に支払い済みです。父親は高齢のため万一のことも考えて(相続人となるのは私以外に兄と弟がいます)、引渡しを受けていない未完成の状態のまま、さらに代金(中間金)を売主業者に払うつもりのようですが、何か問題があるでしょうか。既に払った手付けはきちんと保全されているようです。
A39 未完成の状態であっても、中間金を支払うことについては特段の問題はありませんが、手付金と同様きちんと保全措置がとられることを確認することが大切です。また、買主に万一のことがあった場合には、財産は相続されることになりますが、それに備えておくには遺言に関することなどについて、法律の専門家等に相談すべきでしょう。
Q40 「建築条件付土地」と書いてある広告を見ました。「建築条件付土地の売買」とはど ういうものですか?
A40 土地の売買契約を締結するに当たって、 その土地の売主が自己または自己の指定する建築業者と一定期間内に建物の建築請負契約を結ぶことを条件とすることをいいます。
建物の建築請負契約が締結に至らなかった場合には、土地の売買契約は無条件で解除されます。
「建築条件付土地売買」契約を締結するときの注意点としては、1.一定の期間内に建物の建築工事請負契約を締結することを条件とすること、 2. 1.の請負契約を締結しなかったとき、または建築しないことが確定したときは、
本売買契約は解除になること、3. 2.により本売買契約が解除となったときは、 売主はすでに受領している手付金等の金員全額を買主に返還することおよび売主は本件契約の解除を理由として買主に損害賠償または違約金の請求はできないこと、
などが土地売買契約書に条件として約定されていることを確認しておきましょう。
Q41 建築条件付土地の売買契約をしましたが、建物の間取りが気に入らず、請負契約にまでは至りませんでした。しかし、不動産業者から設計料を請求されています。私から設計を頼んだ覚えはないのに、必要経費として支払わなければならないのでしょうか
A41 建築条件付土地売買契約の場合、一定期間内に建物の建築請負契約が締結されなければ、土地の売買契約は無条件で解除されますので、設計料等の支払い義務もありません。
Q42 ハウスメーカーA社の媒介(仲介)で、業者Bの土地を建築条件付で買いました。Aとの請負契約が条件だったので、同じ日に、金額も設計も決めずに、「建物基本契約」を結びました。その後、Bに土地代金全額を支払い、移転登記も済みました。A社と設計の打合せをしましたが、いいプランがなく、気に入らないので、打合せを打ち切り、契約したくありません。別の住宅メーカーに建築を依頼したいと思っています。Bに話をしたら、「土地はすでに所有権も移転しており、もう無関係」と言います。金額も決まっていない基本契約の違約金は5%ですが、Aはそもそも解約する気は全くないようです。打開策はありますか。
A42 裁判例に、建築条件付土地分譲の広告をみて売主業者と土地の売買契約を締結し、手付金200万円を支払った買主が、同日付けで、「建物基本契約」と「設計請負契約」を結んだが、その後、建物図面や仕様、設備等について合意に至らず、請負契約が不成立となったため土地売買契約は解除になったとして、争いになったものがあります(名古屋高判平成15年2月5日)。
この事例では、売主および買主とも、「建物基本契約」については契約としての拘束力を予定していなかったなどと認定され、買主の手付金の返還請求が認められました。
建築条件付土地売買をめぐる紛争の大半は、建築計画の打合せが不十分な中で請負契約を締結させることで発生しています。本件の場合もこの判裁判例のように、建物基本契約の効力が否定される可能性が高いと思われます。さらに、土地の売主は、土地売買代金全額を受領し買主のために土地の所有権移転登記・引渡しも完了しており、「もう無関係」といっていることからも、土地の売買契約における建築条件条項はすでに効力がなくなっていると思われます。したがって、すでにA社との請負契約締結義務はなくなっていると言えるのではないでしょうか。
Q43 「新築分譲物件」の広告を見て、ハウスメーカーを訪れました。業者の方で、あらかじめ用意してあったプランが気に入ったので、即日、手付金100万円、建設工事に係る着手金100万円を支払って契約しました。ただ、重要事項説明書では、土地建物売買契約となっているのに、契約書は、建築条件付土地売買契約書と建設工事請負契約書の2つに分かれていました。
その後、しばらくしてから他に良い物件が見つかったので、解約したいと思い、業者側にその旨を伝えました。すると、「手付放棄による解約となるので、既に支払った手付金100万円と着手金100万円は没収する」とのことでした。土地売買契約の解約については、自己都合なので、手付け放棄もやむを得ないと考えていますが、請負契約書には着手金の放棄などの約定はないし、業者は全く工事に着工していないはずなので、着手金の没収には納得ができません。
A43 本件取引は、建築条件付土地分譲であり、広告と違った取引を進めていることから宅建業法に違反していると思われます。
建築条件付土地売買の広告については、①取引の対象が建築条件付土地である旨、② 建築請負契約を締結すべき期限、③建築条件が成就しない場合においては、土地売買契約は解除され、かつ、土地購入者から受領した金銭は、名目のいかんにかかわらず、すべて遅滞なく返還する旨等を表示することとされています(不動産の表示に関する公正競争規約6条)。
本件取引は、取引自体が建築条件付土地売買なのに未完成物件(建売住宅)の売買と誤認される広告を行っています。業者へ着手金返還を書面などで強く要求してみてください。
Q44 ローン特約とはどういうものですか? 私はローンが一部しか借りられなかったので、 マンションの購入契約を解除するつもりですが、媒介(仲介)業者から手付金は返せないと言われて困っています。
A44 ローン特約とは、不動産を購入するに当たって、買主が売買代金を金融機関などからの融資を利用することを前提に売買契約を締結し、 融資の全部または一部について承認が得られなかった場合には、その売買契約を無条件で白紙解除(解除条件)したり、 契約を解除することができる(解除権の留保)との条件を約定することをいいます。この場合、手付解除や契約違反などの解除の適用はされず、 支払済の手付金は買主に返還されます。
「ローン特約」を付けるときは、1.融資申込金融機関、2.融資金額、3.融資が承認されるまでの期間、4.融資が承認されなかった場合の対応策、 などの設定を明確にして約定することに注意が必要です。
あなたの契約が、「ローン特約条項」によって契約の解除がされるのであれば、売主は手付金を返還しなければならず、 媒介業者は買主に対して手付金が返還できないと主張することはできません。
Q45 2500万円の土地付き建物を買う契約をしました。ローンが2000万円、500万円は全額父に出してもらう予定でしたが、父から断られました。銀行に行くと、2500万円全部ローンを出してもいいと言われましたが、2000万円のローンでも生活がきついので、断りました。ローン特約で白紙解約できますか。
A45 ローン特約とは、ローン不成立の場合には契約を無条件で白紙に戻すことを当事者間で合意するものです。ご質問の場合は、ローンが不成立になったわけではないのでローン特約による解除はできません。資金計画は、購入資金以外の諸費用を含め、契約前に充分に検討しておくことが必要です。
Q46 ローン特約付きで土地建物を買いました。金融機関欄は「A銀行、B銀行等」とあります。A銀行に断られたので解約するといいましたが、媒介業者は、B銀行に行け、それでもダメならノンバンクに申込みに行けと言っています。どうしたらいいでしょうか。
A46 売買契約書のローン条項の申込金融機関欄に「B銀行」も記載されているのであれば、B銀行にも申込みを行わなければならないでしょう。ただし、ノンバンクについては、銀行とは金利等の融資条件も異なるでしょうから、「銀行等」には含まれないと考えられますので、契約書に具体的な記載がなければ申込みを行う必要はないと思われます。
いずれにしても、融資を利用する場合には、金融機関名を具体的に特定して重要事項説明書や売買契約書に明記しておくことが大切です。
Q47 「○○銀行等でローンがつかなければ白紙解約」の特約付きで戸建て住宅を販売しています。今度の買主は、銀行ではローンを断られました。しかし、あるノンバンクではOKの可能性があります。銀行とは利率が違うので「銀行等」には含まれないという人もいますが、そのノンバンクは「固定10年 4%台半ば」で、銀行と条件が違い過ぎるともいえません。その買主は本当は別の理由があるのにローン白紙にしておこうという風に思われるので、「このノンバンクに行って申し込みしないと手付没収」と言ってよいでしょうか。
A47 宅建業者としては、買主が融資を利用する場合には、契約後にトラブルのないように、金融機関名・取扱支店名、融資金額等を事前に明確にしておく必要があります。融資の申込先を「○○銀行等」としているのであれば、金融機関は「銀行」に類するものに限られると考えるのが自然であり、条件があまり違わないとしても、ノンバンクがそれに含まれるとするには疑問があります。
Q48 現在一戸建て住宅を持ち、そこに住んでいますが、都心のマンションを買って住むつもりです。マンションの購入費の一部に、今の家の売却代金を充てる必要がありますが、もし売れなかったらという不安もあります。どうすればよいでしょうか。
A48 手持物件を処分した売却代金(全部又は一部)で新しい住宅を購入する「買換え」のとき、①手持物件を処分してから、新規物件を購入する(売り先行)、②手持物件を処分する前に新規物件を購入する(買い先行)場合の2つの方法があります。②の売却ができていない、つまり資金の確保ができていない状態で購入の契約をすることは、大きなリスクを負うことになります。①の手持物件を処分して、一時賃貸住宅に仮住まいをしてでも、購入代金を確保した上で、腰をすえて希望のマンションを探したほうがよいでしょう。
どうしても、手持物件を処分する前に購入の契約をするときは、「手持物件が売却できなかったときには、契約を解除できる(又は契約は消滅する)」とする特約(「買換え特約」:「不動産売買の手引」も参照してください)をつけてもらってください。
Q48 現在一戸建て住宅を持ち、そこに住んでいますが、都心のマンションを買って住むつもりです。マンションの購入費の一部に、今の家の売却代金を充てる必要がありますが、もし売れなかったらという不安もあります。どうすればよいでしょうか。
A48 手持物件を処分した売却代金(全部又は一部)で新しい住宅を購入する「買換え」のとき、①手持物件を処分してから、新規物件を購入する(売り先行)、②手持物件を処分する前に新規物件を購入する(買い先行)場合の2つの方法があります。②の売却ができていない、つまり資金の確保ができていない状態で購入の契約をすることは、大きなリスクを負うことになります。①の手持物件を処分して、一時賃貸住宅に仮住まいをしてでも、購入代金を確保した上で、腰をすえて希望のマンションを探したほうがよいでしょう。
どうしても、手持物件を処分する前に購入の契約をするときは、「手持物件が売却できなかったときには、契約を解除できる(又は契約は消滅する)」とする特約(「買換え特約」:「不動産売買の手引」も参照してください)をつけてもらってください。
Q49 自分の住んでいる住宅を売りたいと思っていますが、信頼できる不動産業者はどうやって探せばよいでしょうか。
A49 信頼できる不動産業者であるかどうかは、法令を遵守して宅建業者としての義務を果しているか、経歴はどうか、取引上トラブルは起こしていないかなどを調べて、それらの結果を総合して判断する必要があります。
国土交通省の各地方整備局等および各都道府県の担当課では、その地域内に事務所のある宅地建物取引業者の名簿と免許申請書等が閲覧できます。それを見れば、営業年数、営業成績、資産状況などを知ることができますし、商号、代表者、役員、事務所の所在地、専任の取引主任者などが度々変更されているときは注意が必要です。なお、行政処分歴の有無は、担当職員に聞くと良いでしょう。「不動産取引の手引」9頁も参照して下さい。
Q50 マイホームを探しています。「売地」や「新築住宅」と書かれた看板がよく電柱に張られていますが、信用してよいものでしょうか。
A50 不動産広告の内容や表現の仕方などは、「不動産の表示に関する公正競争規約」により規制されていますが、電柱等にビラ等を掲出する行為は都道府県の条例で禁止されることが多く、表示の内容も制限され、中には掲載されている物件そのものがいわゆる「オトリ」である場合もありますので、あまり信用できるものはありません。
いずれにしても、広告はあくまでも参考資料のひとつに過ぎないものと認識して、広告に記載されない内容も多いのですから、実際に現地に行き対象となる物件をよく確認すること、分からないことがあれば納得できるまで担当者などの話を聞くことが重要なことです(不動産売買の手引き8頁も参照してください)。
Q51 先日、不動産を購入しましたが、媒介(仲介)業者から媒介手数料は宅建業法で代金の3%プラス6万円と定められていると言われ請求されました。本当なのでしょうか
A51 宅建業者が依頼者から受け取ることができる媒介報酬の額は、宅建業法の規定に基づき、国土交通大臣が定める告示により、以下の表の合計額が上限として定められています。
売買代金: 媒介報酬額
200万円以下の部分: 5.25%以内の額
200万円を超え400万円以下の部分: 4.2%以内の額
400万円を超える部分: 3.15%以内の額
取引額が400万円を超えるときは、「(消費税抜きの売買代金×3%+6万円)×1.05」で簡易計算することができ、実務ではこの簡易計算による方法が用いられています。以上の方法で求められるのは上限額であり、実際に支払う媒介手数料は、その範囲内で、媒介業者との話合いで決めることになります(媒介契約締結のときに約定します)。
Q52 先日、マンションの売買契約を締結し、手付金を支払いましたが、自己都合により手付放棄による解約をしました。ところが、媒介(仲介)業者から媒介手数料の残金半額を請求されています。業者には契約を締結しただけで媒介手数料全額を請求する権利があるのでしょうか。
A52 売買契約が成立した場合には、その後、専ら契約の当事者間の問題でその契約が解約になったとしても、媒介業者の報酬請求権は失われないと解されています。したがって、媒介業者は、媒介手数料の残額を請求することができることになりますが、媒介報酬の請求について争いになると、裁判所は、手付解除により契約が解除されたことで、当初予定していた取引が完了せず、媒介業者の媒介業務の量が軽減されたこと等を理由として報酬全額の請求までは認めないことが多いようです。まず、媒介業者と話し合ってみましょう。
Q53 媒介(仲介)業者に物件の売却を依頼し、専任媒介契約を結びましたが、媒介契約期間中に媒介契約を解除したところ、媒介業者から費用償還請求を受けました、媒介手数料は成約したときに支払うのではないでしょうか。
A53 媒介手数料は成約報酬ですから契約が成立して支払うことになりますが、媒介業者の責めに帰すことができない事由によって媒介契約が契約期間中に解除されたときは、媒介業者は依頼者に対して媒介契約履行のために要した費用を請求することができることになっています。その額は約定報酬額を超えることはできません。なお、媒介業者が、費用償還請求をするときには、明確な費用明細ならびに領収書等が必要になります。
Q54 マンションをできるだけ早く売却する必要があり、不動産業者と専任媒介契約を結び、3か月以内に売却してくれるよう依頼しました。しかし、3か月経つのにいまだに売れません。媒介業者は価格が高すぎるといいますが、価格を下げられないことは専任媒介契約をするときに事情を説明しています。売ることができないのであれば業者に責任をとって欲しいので、買い取ってもらうか、損害賠償を請求したいのですができますか。
A54 媒介業者が購入する買主を探すことができずに売却できなかったとしても、それを理由に媒介業者に対して、物件の買取りや損害賠償を請求することはできません。
売却の依頼を受けた媒介業者には、契約の相手方を探すなどの積極的な努力義務はありますが、かならず契約を成立させなければならない義務まではありません。
売却できなかった理由を冷静に分析して、売却価格の見直しも含めて対応策を今一度検討されたらどうでしょうか。
Q55 不動産業者に土地の売却をお願いして専任媒介契約を交わしました。しかし、売りに出してから3か月になりますが、売出価格では売れそうもありませんので、一旦売却を中止することにしました。業者に専任媒介契約の更新はしないことを伝えたところ、それまでかかった広告費用や物件調査費用を請求するといわれました。支払う必要があるのでしょうか。
A55 依頼者が①特別に依頼した広告の料金、②特別に依頼した遠隔地における現地調査等に要する費用(事前に依頼者の承諾のあるもの)以外の情報登録料、通常の広告、物件の調査等のための費用は、依頼を受けた宅建(不動産)業者の負担になります。したがって、事前にあなたが承諾した①、②の費用がないのであれば、支払う必要はありません。
Q56 中古住宅を不動産屋さんの媒介(仲介)で契約が成立し売却することができましたが、売買契約時に媒介報酬全額を請求されました。全額払ってしまうと最後の引渡しまで面倒見てくれるか不安です、どのようにしたよいでしょうか。
A56 報酬請求権の発生する時期は、当該媒介に係る売買契約が成立したときとされていますので、業者には報酬請求権はあります。
しかし、媒介報酬は、宅地建物の売買、賃貸及び交換の契約が成立した際に半額、代理又は媒介の責任を完了したときに残額を受領するよう求める、国土交通省(建設省)による指導(昭和27年通ちょう)もあります。媒介業者の引渡し業務を完全に履行させる趣旨です。業者と話をしてみてはどうでしょうか。
Q57 宅建業者ですが、地主さん所有の造成された10区画の宅地の販売を委託されました。地主さんは宅建業の免許を持っていません、地主さんが無免許営業に当たると思うのですが受託してよいでしょうか。
A57 不動産の取引を業として行うには、免許が必要です。宅地建物取引業にあたるかどうかの判断は、諸要因を勘案して総合的に行われますが、本件の場合は「業」にあたりますので、地主さんには免許が必要です。免許がないまま販売すると「無免許営業」で処罰されることになります(3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科)。
また、この取引を代理・媒介した宅建業者は、無免許営業幇助による宅建業法違反となり、処分の対象となります。
Q58 マイホームを探しています。最近、「競売代行」というチラシをよく目にしますが、どのようなものですか。通常の売買よりメリットがあるのでしょうか。
A58 競売不動産は、通常は価格が市場価格よりも安く設定されていることがメリットの1つですが、事前に物件内部が見られない、瑕疵担保責任を追及できない、占有者がいる場合は立退き交渉が必要等のデメリットもあります。このような競売不動産の調査、入札手続き、立退き交渉等を買主に代わって行うことが競売代行と呼ばれるもので、不動産業者が営んでいることが多いようです。競売代行業は不動産の媒介ではないため、業者との契約内容(業務の範囲や費用負担、手数料など)に注意が必要です。
Q59 マンションの1室を競売で落札しましたが、前の所有者から借りて住んでいるという4人家族がいます。出て行ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。
A59 競売による落札の結果、落札者(買受人)は新たな所有者となります。前所有者との賃貸借契約による賃借人が住んでいる状況と判断しますが、この賃貸借契約の締結時期がいつかによって賃借人が入居できる期間も違ってきます。平成16年3月31日以前の契約締結であればその契約期間終了までは賃借人は入居を継続できます。平成16年4月1日以降の賃貸借契約ならば「建物明渡し猶予制度」として買受時から6か月の明け渡し猶予期間が設けられ、その間は賃借人は入居できることになります。(民法395条)
いずれにしても、早期に退去を求めるのであれば、任意に賃借人と話し合ってみるのも1つの方法です。
Q60 40年前甲県内の雑木林100坪を買い、放置してきました。「その土地を坪5万円で買うという人がいる。売ってあげるが、整地費に坪1万円+消費税で105万円必要だから、まずそれを支払え」と、不動産会社から電話してきました。他人が買ってくれるなら、価格は坪5万円にこだわりませんが、大丈夫でしょうか。
A60 業者が遠隔地の不動産の買取や売買斡旋をするといって造成工事費用や測量代金を騙し取る商法があり注意が必要です。たとえそういう可能性があっても構わないから、というのであれば、相手の不動産会社の免許や実績等を確認し、媒介契約を必ず締結するとともに、整地に関する請負契約を締結し、工事の完了を待って最終請負金を支払うようにされるのが賢明だと思います。
Q61 父が持っていた北海道の別荘地(原野)を買いたいという地元の人がいたので、遠隔地で持っていても仕方なく現金化したくて、売買金額500万円、手付金10万円で売買契約を締結したところ、契約書に引渡し日までに境界確定をする旨の記載がありましたが、父が昔購入したもので対象地がどこにあるかもわからず、また境界確定ができず、購入業者から債務不履行を理由に違約金(100万円)の請求を受けました。契約書には違約金の定めもありました。違約金は払わなければならないでしょうか。
A61 売買契約書は、売主・買主で合意した内容を書面にしたものです。約束した内容はお互いに守る義務がありますので、契約の相手方が義務を履行しなかった場合は、契約書に定められた違約金等の請
求をすることができます。本件も、引渡し日までに境界確定をさせる義務が約定されているのであれば、買主業者の請求には理由があるのですが・・・。
これを悪用する原野商法の第二次被害が見受けられ、①売ってあげるといって広告費を詐取する、②債務不履行を誘引し違約金を詐取する、③造成工事をすると売りやすいとして工事費用を詐取する、④測量が必要として測量費を詐取する、⑤買取ってあげるといって他の物件を買わせる等の被害が報告されています。
相談者の例も、②の可能性があるように思われます。弁護士等の法律の専門家に相談してはどうでしょうか。
Q62 駅に近いマンションの一室を持ち、住居として使用しています。事務所の部屋もありますが、最近、ある部屋の借主がマッサージ店を始め、表に看板も出しました。イメージが悪いので、営業をやめてほしいのですができるでしょうか。
A62 まずマンションの、管理組合を通じ管理規約上マッサージ店の営業が許されているかどうか確認をして下さい。当該営業が部屋の用途違反にあたるのであれば違反行為の差し止め請求が可能です。理事会や管理会社に相談してみましょう。
Q63 中古マンションを購入しましたが、入居後マンション管理組合から延滞管理費300万円の請求を受けました。契約時にそのような説明も受けませんでした、どうしたらよいですか。
A63 管理費等の滞納があった場合、管理組合は、売買により新しい所有者になった買主に対してもその管理費等の滞納金を請求することができます。
宅建業法では、宅建業者に対して「管理費の額、修繕積立金の額及びそれらについて滞納がある場合には滞納額」を説明することを義務付けています。
売主業者や媒介業者が滞納額について説明していなかった場合、業者は宅建業法上の義務違反を問われるとともに、民事的な責任を負うことになります。
Q64 買った中古マンションの住民に、廊下などで大きな声を昼夜問わず上げている人がいます。他の住民に文句をつけ、中傷しています。知ったのは入居後です。媒介業者は、個人情報保護法違反になるから言えなかった、と言っていますが、本当でしょうか。
A64 宅建業法では、「取引の判断に重要な影響を及ぼすこととなる重要な事項」については、説明することを義務付けています。説明義務のある重要な事項は、法令に基づく説明事項ですので、個人情報保護法の問題とはなりません。
本件が重要な事項として説明義務のある事項であるかどうかは、迷惑行為の程度、状況などの事実関係を総合的に判断する必要があります。
そのことが売主の売却理由であったり、管理組合の総会等でも議題として取り上げられ、その対応が協議されているなどの事実がある様な場合は、媒介業者には重要な事項として説明義務が生じることになります。
Q65 中古マンションを購入しましたが、マンションの規則では禁止なのに、隣の部屋など何人かが犬を飼っています。私は動物アレルギーがあり、ペット禁止のマンションを選んだのです。規則違反の飼主の存在、組合の放置は、媒介業者は説明してくれませんでした。飼育禁止の要求か飼主の退去要求、売買契約の解除や媒介(仲介)業者への損害賠償請求などをしたいのですが、可能でしょうか。
A65 宅建業法では、宅建業者に対し「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めが あるときは その内容」を説明することを義務付けています。管理規約等でペット飼育が禁止されている場合は、媒介業者は利用の制限事項としてペット飼育が禁止されていることを説明する必要があります。
規則に違反してペットを飼育している区分所有者が問題となっている事例が多くみられますが、この問題は区分所有者全員の問題ですので、管理組合としてその対応を考えることになります。
媒介業者の責任については、媒介業者が、特にペット禁止のマンションという条件の購入の依頼を受け、「ペット飼育禁止に違反して飼育している区分所有者がいることが、管理組合総会で議題となり問題になっている」事実があるにもかかわらず、そのことを説明していなかった場合は、重要事項の説明義務に違反すると考えられます。
契約の解除や損害賠償の請求ができるか否かは、ご質問の内容だけで判断することはできません。弁護士等の専門家にご相談してください。
Q66 85歳の母は、日常の行動はしっかりしており、一人で生活できています。死んだ父の遺産もあり、最後に景色のよい家で死にたいと、物件を探して、契約しました。手付けを入れましたが、最後になってやっぱり今の家でいいと言い出し、残代金を払わないので、違約金は払いませんでしたが、手付けは没収されました。実は、同じことがこれで2度目です。最近、また、前と同じようなことを言い始めていますが、防止するにはどうしたらいいでしょうか?
A66 ご質問のようなケースでは、成年後見制度による手続きをとることを考えられてはいかがでしょう。
成年後見制度のうち任意後見制度は、本人が健康で判断能力が十分なうちに将来認知症等で判断能力が不十分となった場合に備え、あらかじめ、任意後見契約により任意後見受任者を指名しておき、本人の財産管理について、将来認知症等障害が発生した場合でも可能な限り本人の意思が反映されるようにしておくものです。任意後見受任者は親族でも指名することが可能で、本人との間で公正証書を作成し、公証人の嘱託によりこの旨の登記がなされます。
本人の判断能力が衰えて、任意後見事務を開始する必要が生じたときは、任意後見受任者や親族等が、本人の同意を得て、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立を行ない、家庭裁判所がその選任を行うと、そのときから任意後見受任者は任意後見人となり、任意後見契約に定められた仕事を開始することになります。

